副鼻腔腫瘍手術の第一人者大村和弘先生による手術指導

2025年12月9日(火)当院に 東京慈恵会医科大学 大村和弘先生 をお迎えし、副鼻腔腫瘍手術のご指導をいただきました。
国内外で多数の高難易度手術を執刀されている副鼻腔腫瘍手術の第一人者。その「手」から学べる機会は——若手にとっても医局にとっても貴重な時間でした。
手術からの症例検討会へ

ご指導いただいた副鼻腔腫瘍手術の手術は約3時間。その後、さらに約2時間——ブラジルの学会帰りとは思えない素晴らしい熱量で、手術症例検討と細かい手術テクニックをご指導くださいました。
今回の手術指導で教えていただいたのは、手技や術式といった「技術」だけではありません。
手術中の手の動き、目線の配り方、スタッフとの連携、声掛け——大村先生の一挙手一投足そのものが、何よりの教材となり、医局員一人ひとりが、言葉以上の多くを学ばせていただきました。
手術後の症例検討会では、診断の考え方や治療方針、手術に至るまでの判断プロセスについてもご教示いただきました。
「なぜこの選択をするのか」
「他に考えられるアプローチは何か」
一つの症例に対して投げかけられる問いと、丁寧に示される視点。参加者はそれぞれが自分の臨床とも照らし合わせながら、熱心に耳を傾けていました。
手術テクニックの実演指導

症例検討会の後、スポンジを用いた手術テクニックの実演指導が行われました。
実際の手術操作を想定し、鉗子操作や力のかけ方、組織の扱い方について、細かな手の動きを一つひとつ確認しながら丁寧に解説してくださいました。
医局員たちは真剣な眼差しで先生の手元に注目し、時折質問を交えながら、実践的な技術を学びました。こうした「手を動かしながら学ぶ」時間は、マニュアルやスライドだけでは決して得られないものです。
器具の角度や滑らせ方といった具体的な手技に加え、手術を支えるコミュニケーションの重要性、さらには患者さまの信頼を得るための「接し方」や「心構え」に至るまで——技術だけでなく、医師としての姿勢そのものを学ばせていただきました。
笑顔のすべて

手技を"見せる"だけでなく、考え方そのものを、その場で共有してくださる指導。その熱量は、医局全体の空気を一段引き上げるほどでした。
技術と人としての在り方。
それらが一体となってこそ、良い医療が成り立つことを、改めて実感する貴重な時間となりました。
熱心に耳を傾ける若手からベテランまで。真剣な顔、そして学び終えた後の笑顔、その全てが、“Hands that teach, hands that lead.”を証明しています。
大村和弘先生、貴重なお時間と情熱を本当にありがとうございました。
またのご来局、心よりお待ちしております。


