外転型痙攣性発声障害に対する超音波ガイド下ボツリヌス毒素注入療法に関する論文が掲載されました
共同研究先である羽嶋市民病院の國枝先生の論文が掲載されました.痙攣性発声障害は潜在的な患者さんの多い疾患ですが,対応できる施設が少なくご不便をお掛けしていると思います.私達は,本疾患に対して音声リハビリ, ボツリヌス注入,甲状軟骨形成術を行っております.今回,超音波ガイド下の注入療法を開発し報告いたしました.以下に論文の要旨を記載致します.本疾患に関心のある方は担当医にご相談頂ければ幸いです.また,論文は専門医向けの内容ですが,論文の内容に関心のある方は下のリンクからご確認下さい.
外転型痙攣性発声障害に対する超音波ガイド下ボツリヌス毒素注入療法
近年、超音波装置の感度、分解能、サンプリング速度の3点が向上し、頸部領域だけでなく、喉頭領域の診断・治療にも超音波検査が用いられるようになってきた。我々は、外転型痙攣性発声障害治療におけるボツリヌス毒素注入時に超音波画像ガイド下に実施し、確実な効果が得られたため報告をする。目的筋である後輪状披裂筋の描出、注射経路だけでなく、後輪状披裂筋内へのボツリヌス毒素液の浸潤も可視化することができた。超音波ガイド下の薬液注入は、施術の確実性の向上と施術による合併症の予防に有用であると思われた。
Kunieda C, Nin F, Ohashi T, Hosokawa K, Watanabe Y, Ogawa T, Mori T, Kanazawa T. Botulinum toxin injection for abductor spasmodic dysphonia under cervical ultrasonography guidance. Auris Nasus Larynx. 2024 Apr;51(2):361-364. doi: 10.1016/j.anl.2023.09.008. Epub 2023 Oct 12. PMID: 37838568.
Botulinum toxin injection for abductor spasmodic dysphonia under cervical ultrasonography guidance - PubMed (nih.gov)