医局ブログ│自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

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内田晶子助教の論文が掲載されました

   

この度、内田助教の論文が英文雑誌に掲載されました。原発性副甲状腺機能亢進症は手術対象の疾患として当科でも対応することが多いのですが、治療成績に関する報告は意外にも多くはありません。今回、当科での治療生成をまとめて頂き、早期の外科的対応の重 要性を確認することができました。今後の原発性副甲状腺機能亢進症において重要な指標になると思います、ご苦労様でした。

※実際の掲載ページは、下記リンクまたはQRコードよりご確認いただけます。

ScienceDirect掲載ページ

論文要旨

目的

近年、保存的治療の進歩がみられる中で、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)に対する早期外科的介入が依然として最適な治療戦略であるかどうかを評価することを目的とした。
具体的には、手術成績を評価するとともに、術前のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)値に関連する臨床病理学的因子を検討した。

方法

2014年から2023年までにPHPTに対して副甲状腺摘出術を受けた80例(男性19例、女性61例、平均年齢56.8歳)を後ろ向きに解析した。臨床病型は,腎型,生化学型,骨型に分類した。
収集したデータには、術前および術後の血清カルシウム値とiPTH値、超音波検査および99mTc-メトキシイソブチルイソニトリル(MIBI)シンチグラフィによる画像所見、病理診断、ならびにCyclin D1およびKi-67の免疫組織化学的発現が含まれた。

結果

最も多い病型は腎型PHPT(52.5%)であり、次いで生化学型(26.3%)、骨型(21.2%)であった。病理診断では、副甲状腺腺腫が大部分を占めていた(79.6%)。超音波検査とMIBIシンチグラフィを併用した病変局在診断の一致率は72.1%であった。手術により、血清カルシウム値(11.1 mg/dLから9.1 mg/dL)およびiPTH値(201.8 pg/mLから37.5 pg/mL)は有意に低下した。腫瘍径は術前iPTH値と正の相関を示したが、Cyclin D1およびKi-67の発現との関連は認められなかった。

結論

副甲状腺摘出術は、PHPT患者において良好な生化学的改善をもたらし、疾患進行を予防するための最も有効な治療戦略であり続ける。術前iPTH高値と関連していた因子は腫瘍径のみであった。一部の患者で術後もiPTH高値が持続したことから、不可逆的な全身合併症が生じる前の早期診断および適切な時期での外科的介入の重要性が示唆された。

Uchida A, Igarashi T, Nozawa M, Yamauchi T, Matsuyama K, Onaga R, Shimada MD, Fukuhara T, Nishino H Ito M, Kanazawa T. Surgical outcome of primary hyperparathyroidism and factors correlated with preoperative serum iPTH concentration. Auris Nasus Larynx 2025; 53: 35-40.

 - 学術編